「貸方」と「借方」とは?覚え方や違いを徹底解説!

主な経理業務の一つに貸借対照表を作成する業務があるのですが、貸借対照表の作成には貸方と借方といった言葉を理解している必要があります。

これらを理解していないと、貸借対照表を効率的に作成することができず、忙しい決算時期に時間がかかってしまいます。

そこでこの記事では、貸方と借方の詳しい内容や項目、処理の仕方などを詳しく説明していきます。

貸方と借方を正しく理解するだけで、貸借対照表を正確に作ることができ作成時間を短縮することができるのです。

貸借対照表とは

貸方と借方を説明する前に貸借対照表を理解している必要があるため、

先に貸借対照表に関して詳しく説明していきます。

貸借対照表を作成する時期と目的とは

貸借対照表は決算の時に必要になり、資産や負債などを把握するために存在する財務諸表の一つです。

貸借対照表を使って、現金、商品、売掛金、土地、建物などの資産と借入金、買掛金などの負債、資本金などの純資産の合計額が一致するようにします。

会社を経営するうえで決まった期間中にいくら資金を使いいくら設けたかを利害関係者に報告することが必要なのですが、

それらの数値を分かりやすく明示しているのが貸借対照表なのです。

そこで支払った分は貸方、受け取ったお金は借方に記載していくことが必要になります。

「借方」とは

貸借対照表の「左側」に記載する決まりです。

借方に記載するのは、資産の部であり流動資産、固定資産に分かれます。

・流動資産=1年以内に現金化できる可能性が高い資産

・固定資産=1年以内に現金化されない資産

と覚えておくと良いでしょう。

しかし、注意したいのが不動産など1年以上かけて販売するものは固定資産ではなく流動資産として計上されます。

1年以上はかかっていますが、あくまで販売を目的のもは流動資産として扱われるのです。

流動資産とは

流動資産とは決算日から1年以内に現金化される資産のことをいい、現金、預金、受取手形、売掛金、棚卸資産などが含まれます。

しかし、流動資産の中で必ずしも現金化できない資産があるので注意しましょう。

 

流動資産は「当座資産」「棚卸資産」「その他の流動資産」の3種類に分かれます。

※流動資産は、「現金化するまでにかかる時間」によって分かれます。

◆ 当座資産
現金や預金など現在現金の状態であるものを指します。
また売掛金や有価証券なども当座資産にあてはまります。

◆ 棚卸資産
商品や材料など販売すると売り上げになるものを指します。
販売する必要があるため必ず現金化できるとは限らず、また現金化するまで時間がかかるので注意が必要です。

◆ その他の流動資産
短期貸付金、前払い費用、立替金、未収入金など
棚卸以上に現金化に時間がかかるものがあてはまります。

固定資産とは

会社が1年を超えて現金化される予定の資産や、長期間保有するものを指します。

時間が経過すると評価が下がる固定資産に関しては、決算期のたびに減価償却されます。

 

固定資産にあてはまるのは、土地、様々な加入権、減価償却資産があげられます。

固定資産には、「有形固定資産」「無形固定資産」「投資そのほかの資産」の3つに分類されます。

また、固定資産であっても無形固定資産であっても、減価償却資産と非減価償却資産にわかれます。

◆ 有形固定資産
土地や不動産などのはっきりと形の分かる資産をいいます。

◆ 無形固定資産
ソフトウエアや特許、飲食店でいう暖簾(のれん)などがあてはまります。
ソフトウエアは形がありますが、パソコンにインストールされると形が見えなくなると判断します。

 投資その他の資産
長期預金、投資有価証券は投資その他の資産にあてはまります。

貸方について

貸借対照表の「右側」に記載する決まりです。

貸方とは賃貸対照表において、負債また純資産のことをいいます。

つまり貸方とは、賃貸対照表において負債や純資産が増えた場合、また収益になった場合に計上することが目的です。

負債とは

それでは、賃貸対照表において負債とはどのようなことをいうのでしょうか。

負債とは会社にとってマイナスの財産のことを言い、流動負債と固定負債があります。

◆ 流動負債
現在進行中の債務、または今後1年以内に返済期限が到来する債務のこと
※支払い手形、買掛金、短期借入金、賞与引当金、未払い法人税などが含まれます。

◆ 長期負債
毎月支払われる住宅のローンなど、今後1年以上の期限がある債務のこと
※社債や金融機関からの長期借入金などが含まれます。

純資産とは

株主から出資してもらった出資金と、これまでに蓄積された利益の中で内部留保されている金額のことをいいます。

純資産の項目は2種類あり、株主資本と株主資本以外となります。

株主資本にも、「資本金」「資本剰余金」「利益剰余金」「自己株式」の4種類に分かれます。

また株主資本以外でも評価・換算差額等および新株予約権の2つの項目に区分されます。

固定資産の減価償却とは

固定資産でさらに減価償却資産に関しては、決算期のたびに減価償却をする必要があります。

耐用年数によっては、一括償却資産もしくは少額減価償却資産にする方法もあります。

その基準ですが、取得価格によって計上する資産が異なってきます。

取得価格計上する資産
10万円以上20万円未満一括償却資産
10万円未満少額減価償却資産

一括償却資産とは

まず減価償却ですが、固定資産を全額その年の経費とするわけでなく、決まった年数で割ることによって経費とすることができます。

つまり翌年、再来年の経費をすでに計上できるということです。

減価償却資産において取得価格が20万円未満の場合、事業で供用したあと耐用年数が何年であっても3年間で減価償却することができます。

つまり税務上3年間で損金と計上することができるのです。

償却費の計算方法は、取得価格×当期の月数÷36(3年分)となります。

もし翌年に廃棄処分をしたとしても、3年間は同じように償却費を計上する必要があります。

少額減価償却資産とは

少額減価償却資産の特例がありますがとはどのように違うのでしょうか。

国税庁のホームページを調べると、以下のように記されています。

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から令和4年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

引用:国税庁

また少額減価償却資産の取得価値の損金算入を導入できるのは、

青色申告法人であり、従業員数が1000名以下(令和2年4月以降であれば500人以下)で、資本金や出資額が1億円以下などの条件があります。

さらに少額減価償却資産の対象となるのは、取得価格が30万円未満の減価償却資産である必要があります。

国税庁のホームページではさらに適用要件について、以下のように説明しています。

この特例を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表16(7))を添付して申告することが必要です。

引用:国税庁

借方と貸方で覚えておくこととは

それでは最後に借方と貸方において覚えていくべきことを説明していきます。以下のような点があげられます。

◆ 借方と貸方の金額は必ず一致する
◆ 全ての取り引きをまず項目に分ける

借方と貸方の金額は必ず一致する

借方と貸方の金額は必ず一致します。

例えば、財布に入っている100円で缶コーヒーを購入した場合は当たり前の事が2つ起こります。

  • 財布から現金100円がなくなる
  • 100円の缶コーヒーを手に入れる

財布から現金100円がなくなる方を借方、100円の缶コーヒーを手に入れる方を貸方に記載していくのです。

このためこのように必ず借方と貸方の数値は一致するのです。

全ての取り引きをまず項目に分ける

企業においてお金が絡む取引は必ず以下の5つの項目のうちに当てはまります。

そのため借方と貸方に分けるためには、取引ごとにそれぞれ正しい項目を選ぶ必要があります。

この項目を間違えると、借方と貸方の数値が合わないケースがでてきます。

◆ 取引が絡む5つの項目
【増えると借方、減ると貸方】
・資産
・費用

【増えると貸方、減ると借方】
・負債
・純資産
・収益

例えば、100円の缶コーヒーを売った場合、商品が売れたので勘定科目は売上、
100円の現金を受け取ったら勘定科目は現金となります。

売上は収益の増加なので貸方、
現金は資産の増加となるので 借方となると覚えてください。

少々分かり辛いですが、この事を理解していれば、「借方」「貸方」をほぼ理解したといっても過言ではないでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか、ここまで「借方」「貸方」に関して説明をしてきました。

「借方」「貸方」を使った簿記の方法を複式簿記と呼び、左右に原因と結果を記載することで現在の状況を分かりやすくするものです。

借方を左、貸方を右側に書くのが一般的な記載方法です。

取引は必ず以下の5つに項目に入ります。

それぞれの取引がどの項目に入るかわかるようになってくると、借方、貸方に関してほぼ理解しているといっても過言ではないでしょう。

  • 資産
  • 負債
  • 純資産
  • 収益
  • 費用

しかしこの項目わけ(仕分け)を間違ってしまうと、貸方と借方の金額が合わなくなってしまいます。

そのため仕分けを正しくできるかどうかで、手間のかかり方が変わってくるのです。

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